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「フィンドレーター」というブランド名は、このウイスキーの生みの親アレクサンダー・フィンドレーターからつけられたものである。同家はマレー湾を臨むバンフシャーの寒村の出身で、1638年に国王チャールズ1世(スコットランド王ジェームズ6世の息子。在位1625〜49年)から、フィンドレーター伯爵を名乗ることを許された古い家柄だ。スペイ川とデブロン川の河口のほぼ中間くらいの所にフィンドレーター城という古い城があるが、あるいは同家と関係があるかもしれない。フィンはゲール語で「白」を意味し、フィンドレーターとは「フィン・デ・ラ・レテ」(地の果ての白い土地)から来ているという。同家がウイスキーづくりを始めたのは19世紀初頭のこと。1786年にキースで創業したストラスアイラ蒸留所はフィンドレーター伯爵の土地だったというから、もともとウイスキーづくりとは関係が深かったのだろう。ちなみにエルギンの近くにあるロングモーン蒸留所の土地も同家のものだった。アレクサンダー・フィンドレーターは1823年、26歳の時にアイルランドのダブリンに渡り、同地でワイン・スピリッツ商をスタートさせた。その後イギリスに戻り各地を転々としたが、1863年、66歳の時にロンドンでフィンドレーター社を興している。
彼のつくり出したウイスキーはハイランド・モルトを中心とした芳醇な酒で、当時としては珍しいライトタイプのウイスキーであった。これはハイランドの伝統を保ちつつも、各地を転々としたグローバルな生き方が、テイストに反映されたからかもしれない。
1991年に同社はインバーゴードン・ディスティラーズ社に買収され、現在はインバーゴードン・グループの中核をなす会社として成長を続けている。5年物の「ファイネスト」から「10年」「12年」「18年」「21年」と、ラインナップが充実しているのも同社の特徴で、それぞれマイルドな飲み口の中に、芳醇な香りを秘めている。
(ブレンデッドスコッチ大全:土屋守(著)より)
●熟成年数:12年
●アルコール度:43%
●容量:1000ml
●生産者:ホワイトヘザー・ディスティラーズ社
●輸入元:センチュリー・トレーディング・カンパニー
●主要モルト:タムナブーリン、トミントール、タリバーディンなど