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世界最古のワイン産地として知られるコーカサス地方南部に位置するアルメニアで、イタリア在住のアルメニア人ゾリック・ガリビアン氏によって2001年に設立。アルメニアは周囲にロシア、グルジア、アゼルバイジャン、トルコ、イランに囲まれた小国で、1991年に旧ソビエト連邦から独立を果たした若い国です。ソビエト領時代は約70年にも及びソビエトの支配下にあり、同じくソビエト領であった隣国ジョージアはワインを、アルメニアはブランデー造りをソビエトから要求され生産を行ってきた歴史があります。
ガリビアン氏はイタリアへ移民した一家の一人で、イタリアでは服飾業界で成功を納めました。そして、念願であったワイン造りを行うべく、10年以上もの間理想の畑と環境を探し続けました。当初、トスカーナでブドウ栽培を行う計画を立てていましたが、アルメニアの独立をきっかけに国に戻り、ヴァヨツ・ゾル地方リンド村の手つかずの自然とブドウ栽培に最適な環境を目の当たりにします。(高標高≪1000m以上≫、痩せた土地、水資源、北向き斜面、豊富な日照量と寒暖差、石灰岩と礫を多く含む土壌、風が吹き抜け辺り一帯に何もない自然環境等)。更に最大の魅力が、この地で代々栽培されてきたにも関わらず、ソビエト時代に放置されてしまった地ブドウ「アレニ・ノワール」の存在でした。すぐさま、アレニ・ノワールから醸造されたワインを何本も購入、試飲を繰り返しましたが、イタリア出身の彼にとってこれらワインの品質は非常に粗末な物でした。ただ、この品種が持つユニークで強烈な個性と、品種としての可能性には一切疑うものはありませんでした。そこで、イタリアを代表する醸造家である"アルベルト・アントニーニ”氏に相談を持ち掛け、この地でアルメニアの伝統と、類まれなるテロワールを伝えるべく、アルメニア固有の品種を10年以上の月日をかけて研究。地質学者も招聘し土地を徹底的に調査しました。そして、フィロキセラ被害を受けていない樹齢80年以上の地ブドウで既に山葡萄化した古木等から枝木を取り、標高1400m、手つかずの自然が残る山肌を開墾し、自根でのブドウの栽培を始めました(ブッシュバイン仕立て)。
2010年に初ヴィンテージをリリース。2013年ヴィンテージには、標高1600m地点の、野草が生い茂る地区に放置され野生化したアレニ・ノワールの古木(推定100歳以上)から、フラグシップとなる究極のアレニ・ノワール「イェラズ」を限定でリリース。
1600m地点の野生化した古いブドウ畑のブドウを使用。(樹齢不明)エキゾチックで凝縮した赤果実は、大樽での熟成を経て美しくワインに溶け込み、濃厚な風味と見事な質感を生みました。
●ワイナリー名:ゾラ・ワインズ
●地方:ヴァヨツ・ゾル
●地区:イェゲグナゾル
●村:リンド
●原産地名称:
●タイプ:赤)ミディアムボディ
●ブドウ品種:アレニ・ノワール100%
●醸造:コンクリートタンク(樹脂加工の無い)にて天然酵母により25度で10日間醗酵、2週間のマセレーション
●熟成:カラシィ(アンフォラ)にて20カ月熟成&31HLのカスクにて4カ月熟成、瓶熟1年、(計3年熟成)
●アルコール度:13.0%
●内容量:750ml
●サービス温度:16℃
【アレニ・ノワール(写真)】
世界で最も古いブドウ品種の一つで、数千年前からアルメニアで栽培されてきた原産品種。(自根であることがDNA検査で証明されている)
病害に非常に強く、厚い果皮を持ち、標高1400Mに位置する畑の昼夜の気温差が20度程となるヴァヨツ・ゾルの厳しい環境からブドウを守り、独特のフレッシュな味わいを保ちます。ネッビオーロとサンジョヴェーゼを足して割ったような印象もあり、ほのかなスパイス感等、独特の風味が魅力です。
【カラシ(写真)】
一部のカラシは土の中、一部は外に置かれ熟成が進みます。外に置いているカラシの熟成は土中のものよりも早く、それぞれの状態とワインの品質を見極め最終ブレンドを決定し、コンクリートタンクの中でブレンドが行われます。
【アララート山とワイン造り】
この地がワイン造りの発祥の地として知られる所以は、旧約聖書にも登場します。現在トルコ領となっているアララート山にはノアの箱舟がたどり着いとされ、この船から降り立ったノアがブドウ栽培、ワイン造りを伝えたと・・(このアララト山の標高は5137m。カリビアン氏はこの頂上に登頂し、記念にアレニ・ノワールを一本植え、世界一標高の高いブドウ畑としてデカンタ誌でも取り上げられました。)
【アレニ洞窟の発見(写真)】
2007年にはワイン業界を震撼させた世紀の大発見として、当時世界最古の醸造施設(6100年前の醸造施設-アレニ洞窟)が発見されました。宗教的な意味合いの強いワイン醸造施設ではありますが、土製の壺や圧搾機、ブドウの種等が遺跡無いで発見され、今も発掘が続いています。この歴史的大発見の前から、カリビアン氏は土地を購入しゾラ・ワインズの畑の開墾が始まっていましたが、幸運なことにこのアレニ洞窟はゾラの醸造所と畑から渓谷を挟んで丁度真向いに位置しています。
(以上、インポーターコメント)