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製造元であるヒル・トムソン社は、1793年にエジンバラで創業した老舗中の老舗。創業者はウィリアム・ヒルであったが、1857年にウィリアム・トムソンが加わり、社名が現在のヒル・トムソン社に変更になった。1838年にはヴィクトリア女王から王室御用達の勅許状を授けられている。以来、弦エリザベス女王まで歴代の王室から連続して御用達の栄誉を与えられているのも、同社の自慢のひとつである。
そのヒル・トムソン社がハイランドの優れたモルト原酒を中心にブレンドし、世に送り出したのが「クィーン・アン」とこの「サムシング・スぺシャル」であった。「クィーン・アン」は、ウィスキー好きであったアン女王(在位1702〜14年)にちなんだもので、スペイサイド・モルトを中心に18種類の原酒をブレンド、「サムシング・スぺシャル」はその上をゆくデラックス・ブレンドで、「特別なひと瓶」との願いが込められている。王室御用達銘柄として、バッキンガム宮殿の指定ブランドにもなっており、1975年のエリザベス女王来日の際、宮中晩餐会で出されたのもこの「サムシング・スぺシャル」と「バランタイン30年」の2銘柄であったという。
ボトルは曲線と直線を組み合わせたユニークな10面体で、ラベルの中央には誇らしげにエリザベス女王の紋章が掲げられている。面白いことに、この紋章をよく見ると、通常のエリザベス女王の紋章とは中央の楯を囲むユニコーンとライオンの像が逆になっている。これはスコットランド女王としてのエリザベス女王の紋章で、あえてこの紋章を使っているところにスコッツマンとしてのヒル・トムソン社のプライドと、こだわりが見て取れるような気がする。
同社は現在シーグラム系列となっており、シーグラム社傘下のザ・グレンリヴェット、グレン・グラント、ロングモーン、ベンリアック、キャパドニックなどのスペイサイド・モルトが中心にブレンドされているようだ。
スコッチ通なら一度は口にしているといわれる「サムシング・スぺシャル」。やはり特別な日の特別な機会に、こだわりをもって飲みたい酒である。
(ブレンデッドスコッチ大全:土屋守(著)より)
●熟成年数:12年
●アルコール度:43%
●容量:1000ml
●生産者:ヒル・トムソン社
●輸入元:(株)ナビナビ